Framework Laptop 13 ProでCore Ultra 5 325搭載機に毎回の起動3分黒画面現象
25秒でわかる内容解説
Framework Communityで報告された新モデルの起動トラブルだ。Core Ultra 5 325を搭載したFramework Laptop 13 Pro DIY機は、電源投入後にOS読み込み前に約3分間の黒画面が発生する。同一マザーボードとBIOSを搭載した他CPUモデルでは6秒程度で完了するため、CPU固有の要因と推測される。自作派や早期導入組の起動待ち時間に直結する現象として、ファームウェア側で原因究明が進んでいる。
起動ログで判明する黒画面の構造
報告者は2026年9月18日にCommunityへ投稿し、起動ログを公開した。systemd-analyze(起動時間などを計測するLinuxコマンド)の結果、ファームウェアフェーズに3分1秒902ミリ秒を要している。OSローダーとカーネル読み込みはそれぞれ5秒335ミリ秒、507ミリ秒で完了する。起動の遅延はOS側ではなく、ブートローダー以前に発生していることが数値で示された。
画面の挙動からも特徴的な動きが確認できる。電源投入直後から約1分間はバックライトが点灯している。その後2分間ほど画面が完全に消灯し、最後にFrameworkロゴが表示される。LED診断コードは0x99で、12回のチェックがすべてパスしている。
メモリトレーニングは約30秒で完了する別フェーズであり、今回の遅延原因ではない。サポートの指示で基板リセットを実行したり、拡張カードをすべて外したりしても起動時間は変わらない。
暖機再起動でも冷間起動と同様の時間がかかる。F2キーを電源投入直後に押しても設定画面に入らず、ロゴ表示後に初めて認識される。NixOS 26.05環境でMicron製LPCAMM2(SO-DIMMに代わる薄型軽量なノートPC向けメモリモジュール)メモリとWD_BLACK製SSDを搭載した構成で再現している。
同一環境で明暗が分かれた起動時間
同一BIOS(基本入出力システム。ハードウェア初期化とOS起動の橋渡しを行うファームウェア)とEC(組み込みコントローラ。周辺機器を制御するサブプロセッサ)ファームウェアを搭載したUltra X7 358Hモデルでは、ファームウェアフェーズが6秒204ミリ秒で完了する。メモリモジュールも同一であり、ファームウェア自体に汎用的なバグがあるわけではない。両者の違いはCPUチップのモデルだけが残る変数だ。
当初はメモリの動作周波数に問題があると指摘された。Intelの仕様書では7467 MT/sと記載されていたが、Frameworkの製品ページでは6800 MT/sと記載されている。コミュニティの検証により、6800 MT/sがUltra 5 325の正式な動作速度であることが判明した。
fwupd(ファームウェア更新ツール)で確認すると、System Firmware 0.0.3.2が最新であり、LVFS(Linuxベンダーファームウェアリポジトリ)には新しいバージョンがない。ECコンソールのリングバッファは約20秒分しか保持できないため、3分間の処理内容の大半はユーザースペースで読み取れない状態だ。
起動設定ではQuick Bootを有効化し、Network Stackを無効化している。Boot Timeoutは0に設定され、Boot performance modeはTurboになっている。これらの条件を揃えても起動時間は変わらず、ファームウェア内部で待機状態が発生している可能性が高い。
| CPUモデル | ファームウェア起動時間 |
|---|---|
| Core Ultra 5 325 | 3分1秒902ミリ秒 |
| Ultra X7 358H | 6秒204ミリ秒 |
| Ultra 5(他機) | 5秒996ミリ秒 |
コミュニティが追うCPU固有の要因
投稿直後から他のユーザーが起動時間を報告し始めた。Ultra X7 358H搭載機では6秒204ミリ秒、他ユーザーのUltra 5搭載機では5秒996ミリ秒だった。メモリ速度の仕様誤りも修正され、ファームウェアの挙動がCPUモデルに依存している可能性が高まった。
同一環境下で起動時間が大きく異なるため、報告者はUltra 5 325搭載機の追加データ収集を呼び掛けている。LED点滅パターンはBIOS側で制御されており、ECではなくマザーボードの診断コードとして扱われる。Insyde(BIOS開発ソフトウエアを手がけるファームウェアベンダー)社のコード表との照合待ちである。
サポート側にはチケットが開かれている。CPU別のデータが集まり次第、ファームウェア修正や動作モードの調整が行われる見込みだ。暖機時と冷間時の差がない点から、初期化処理のループや待機時間が深く関与している可能性が指摘されている。
報告者はCommunityスレッドを定期的に更新する方針だ。ファームウェアのバージョンアップはLVFSを通じて提供される予定であり、修正版が公開され次第fwupdで反映可能になる。
未確定の処理内容と今後のアップデート
3分間の黒画面で消費されている具体的なファームウェア処理内容は未確定である。0x99のLEDコードがInsydeの診断表で何を意味するかも解明されていない。ファームウェアフェーズの内部処理をキャプチャする方法や、POST(パワーオン自己診断。電源投入後のハードウェアチェック処理)コードの取得手法の検討が続いている。
報告者はCommunityスレッドを定期的に更新する方針だ。ファームウェアのバージョンアップはLVFSを通じて提供される予定であり、修正版が公開され次第fwupdで反映可能になる。
2026年9月18日以降に納入されたFramework Laptop 13 Pro DIY機では、Core Ultra 5 325モデルの起動待ち時間が約3分になる。ファームウェア修正版の公開時期は未定だが、データ収集が完了次第アップデートが配信される。
暖機再起動でも冷間起動と同様の時間がかかる。F2キーを電源投入直後に押しても設定画面に入らず、ロゴ表示後に初めて認識される。LPCAMM2メモリの接触マークが均一であることを確認し、プロテクタを介して再取り付けした。
用語の注釈
- LPCAMM2
- SO-DIMMに代わる薄型軽量なノートPC向けメモリモジュールである。LPDDR5Xを採用し高速転送を実現する。(参考:SO-DIMMに代わる新メモリ「LPCAMM2」搭載ThinkPadの ...)
出典
- FW13 Pro (Ultra 5 325): 3-minute firmware phase on every boot(Framework Community)