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Home Assistant用EV Assistantベータ版公開。evccがカバーしない自宅外充電を追跡

15秒でわかる内容解説

Home Assistantコミュニティのweskonaが開発したカスタムインテグレーション「EV Assistant」がベータ版として公開された。evccが管理できない自宅外でのEV充電記録と会計追跡を目的としている。

evccが担わない「自宅外充電」の追跡と会計管理

EVの充電制御には、太陽光発電の余剰電力制御などに特化したevcc(エブシーシー)が広く使われている。しかしevccは自宅のウォールボックスしか見えないため、外出先で充電するとその情報が欠落する。EV Assistantは、この「自宅以外での充電」や「会計・ログ」を補完するカスタムインテグレーションである。evccがコントローラーとして残る一方、EV Assistantはすべての充電場所を跨いだ全体像の会計を担当する。

自宅外での充電検出にはGPSは使わない。バッテリーの残量(SoC)の推移から充電動作を検知し、レシートから実際のkWh数とコストを入力する仕組みだ。自動で走行距離に基づくログブックを作成し、CSVエクスポートにも対応する。また、充電場所別の内訳(自宅対外出、AC対DC)やプロバイダー別の統計も表示できる。

コスト面では、同等のガソリン車との比較が可能だ。燃料価格を固定値、ライブエンティティ、またはTankerkönig(タンケケーニヒ)経由の自動検索で取得し、CO2排出量との比較も行う。バッテリーの劣化度合いを示すSoH(State of Health)や、実走行サイクルに基づく全充電回数の推定も実装されている。気温に応じた実走行距離の推定値や、リース契約の残里程予測、車検などのメンテナンストラッカーも備えている。

EV Assistantのメインダッシュボード画面
EV Assistantのメインダッシュボード画面(出典:Home Assistant Community
充電履歴とコストのグラフ表示
充電履歴とコストのグラフ表示(出典:Home Assistant Community

SoC信号の品質に依存する検出精度と2週間の学習期間

EV Assistantは現在ベータ版として公開中だが、機能は豊富で350の自動テストが通っている。ただし、実世界のテストは主にStellantis(スティランティス)製の車両、メーカークラウド経由のSoC報告、特定のevccバージョンとウォールボックスの組み合わせで行われた。検出精度はSoC信号の品質に左右され、車種やevccのバージョン、ウォールボックスの種類によって実世界での多様性が大きい。

使い始める際は、evccへの書き込み制御をオフにしてまず観察することが推奨される。evcc_mode_controlセンサーは書き込みが有効でなくても推奨値を計算するため、それを見てから書き込みをオンにする。アクティブになると、evccの充電モードと最小/target SoCを設定する。電源が太陽光か電網かバッテリーかは、あくまでevccが決定する。

使用プロファイルが信頼できるものになるには、約2週間のデータ蓄積が必要である。デフォルトストアにはまだ含まれておらず、HACS(Home Assistant Community Store)のカスタムリポジトリからインストールする。GitHubリポジトリからURLをコピーし、HACSの「Custom repositories」からIntegrationカテゴリで追加する。

既知の制限事項はREADMEの「Status & Known Limitations」セクションに明記されている。

EV Assistantの主な機能一覧
機能カテゴリ詳細内容
充電検出GPS不使用。SoC推移で自宅外充電を検出
会計・ログレシートからのkWh/コスト入力。ログブック自動作成
コスト比較同等ガソリン車とのCO2/コスト比較。Tankerkönig連携
バッテリー情報SoH推定。実サイクルに基づく全充電回数
メンテナンス車検・点検トラッカー。リース残里程予測
evcc連携推奨モード/SOCの書き込み(オプトイン)

Renault車のスパイクノイズが消費量計算に影響

コミュニティからのフィードバックでは、特定の車種におけるセンサーの挙動に注意が必要との指摘がある。特にRenault(ルノー)車のインテグレーションセンサーは、 occasionally 不自然なスパイク(瞬間的な値の跳ね上がり)が発生しやすい。

このスパイクがエネルギー消費量の計算に悪影響を与えることがある。あるユーザーの経験では、1つのスパイクが完全に非現実的なエネルギー消費値を引き起こした。対策として、そのユーザーは統合内で implausible(非現実的)なセンサーのスパイクを検出し、フィルタリングする処理を追加している。

バグ報告時には、車両の種類、SoCの報告方法、evccのバージョンなどの詳細が問われる。匿名化された診断データのダウンロード機能があり、開発者が問題を追跡しやすくなっている。他のセットアップを持つユーザーからのフィードバックとバグ報告が歓迎されている。

多様な環境でのテスト完了と安定化への道筋

開発者weskonaは、他の車両、SoC報告の挙動、evccバージョン、ウォールボックスを持つテストユーザーを特に募集している。これらのフィードバックにより、検出ロジックがより堅牢になる。Beta版の段階では、すべての環境で完璧な精度が保証されているわけではない。

今後の予定として、使用プロファイルの学習完了(約2週間)後の安定運用が期待される。デフォルトストアへの登録はまだ未定だが、HACS経由でのインストールは現在可能である。日本語と英語のUIに対応しており、マルチ車両のサポートも組み込まれている。2026年9月17日にコミュニティで公開された本インテグレーションは、自宅充電に留まらないEVライフのデータ可視化を促進する。

用語の注釈

evcc
自家ハードウェア上で動作し、太陽光発電の余剰電力制御などに特化したEV充電制御ソフトウェア。(参考:evcc - Smart Charging ☀️ - Intelligent Energy Management ...
HACS
Home Assistantのカスタムインテグレーションやカードなどを管理するためのUIを提供するカスタムインテグレーション。(参考:HACS
SoH
初期状態と比較したバッテリーの容量維持率や劣化状態を示す指標。(参考:SOH(電池の基礎用語)とは?

出典