· AI業界

OpenAIがAPI提供モデルの多数廃止スケジュールを発表

25秒でわかる内容解説

OpenAIは公式ドキュメントにおいて、GPT-5系や音声生成モデルなど多数のAPI提供モデルの廃止日程を一斉に公開した。開発者は推奨する代替モデルへの移行を迫られている。通知期間は一般公開モデルで最低6ヶ月と定められており、2026年10月から2027年4月にかけて順次削除が実施される。自社のシステムに依存している技術者は今すぐコード修正を検討する必要がある。

主要モデルとツールの廃止日程

OpenAIは2026年10月1日付でGPT-5.3-Codex、GPT-5.1、GPT-5.4-Nanoの廃止を発表した。これらは2027年4月1日にAPIから削除され、gpt-6-solやgpt-6-lunaへの移行が必須となる。同時に全Text-to-speechモデルも対象となった。

tts-1、tts-1-hd、gpt-4o-mini-ttsシリーズの計4モデルは2027年1月6日に利用不能になる。代替としてgpt-realtime-2.1-miniが提示されている。

画像生成やTranscription(音声データを文字列に変換する機能)系も並行して廃止される。whisper-1、gpt-4o-transcribe、gpt-4o-mini-transcribeは2027年2月26日に削除され、gpt-live-transcribeまたはgpt-transcribeへ置き換える。

開発者向けツールではReusable prompts、Evals platform、Agent Builderの廃止も決まっている。これらは2026年11月30日にシャットダウンし、それぞれアプリコードやPromptfoo、Agents SDKへ移行する必要がある。

通知期間は一般公開モデルで最低6ヶ月、専門バリアントで3ヶ月、プレビューモデルで2週間と定められている。2026年6月11日にはgpt-5-2025-08-07やo3-2025-04-16の廃止も発表され、2026年12月11日に削除される。これらのモデルはgpt-5.6-solやgpt-5.6-terraへ移行する。

主要廃止モデルと代替モデル
Shutdown dateModel / systemRecommended replacement
Apr 1, 2027gpt-5.3-codexgpt-6-sol
Apr 1, 2027gpt-5.1gpt-6-sol
Apr 1, 2027gpt-5.4-nanogpt-6-luna
Jan 6, 2027tts-1gpt-realtime-2.1-mini
Jan 6, 2027gpt-4o-mini-tts-2025-03-20gpt-realtime-2.1-mini
Feb 26, 2027whisper-1gpt-live-transcribe or gpt-transcribe
Nov 30, 2026Reusable promptsApplication code
Nov 30, 2026Evals platformPromptfoo

廃止プロセスの定義と経緯

廃止プロセスの定義としてDeprecation(非推奨化)とLegacy(旧モデル)を使い分けている。Deprecationは即時適用されシャットダウン日が設定される。Legacyは更新を受けずに新モデルへの移行が推奨される状態だ。同社はより安全で高性能なモデルを頻繁にリリースしており、既存のソフトウェアが動かなくなるのを防いでいる。

2026年6月11日にはgpt-5やo3シリーズの古いスナップショットが廃止された。gpt-5-pro-2025-10-06はgpt-5.6-solへ、gpt-5-nano-2025-08-07はgpt-5.6-lunaへ移行する。Assistants APIのシャットダウンも決まっている。2026年8月26日に削除され、Responses APIやConversations APIへ移行する必要がある。

2026年4月22日にはgpt-3.5-turboやgpt-4シリーズのレガシースナップショットも廃止対象となった。gpt-4-0613はgpt-5.6-solへ、gpt-4.1-nanoはgpt-5.6-lunaへ移行する。独自微調整の制限も段階的に厳格化されている。

2026年5月7日には新規トレーニングが制限され、7月2日には過去60日以内に推論を実行していない組織のジョブ作成が停止する。2027年1月6日には既存顧客の新規トレーニングも終了する。

コミュニティの反応と懸念点

コミュニティからの反応は複雑だ。Hacker Newsでは旧モデルの積極的な廃止に対し、代替が不適切な例を挙げる声が優勢となっている。特にText-to-speechモデルの代替としてgpt-realtime-2.1-miniが推奨されたことに対し、音声合成機能として適合しないとして批判が集中した。公式ドキュメントには情報矛盾も多いと指摘されている。

廃止日程と代替モデルの対応表が複雑になり、開発者にとってエコシステムが使いづらくなる懸念が表れている。代替モデルの妥当性を巡り意見が分かれているが、ドキュメントの整合性改善が急務となっている。プレビューモデルは2週間の短い通知で退役するため、本番環境での使用には短期間の移行対応が求められる。

今後どのような生態系になるのか全体像は未確定だ。コメント末尾が途中で切れている資料もあり、移行コストの試算が難しい状況が続く。ただし安全やコンプライアンス上の懸念がある場合は通知期間を短縮できるため、予期せぬシャットダウンの可能性も残っている。シャットダウン後でも専用キャパシティを営業チームと契約すればモデル利用を継続できる選択肢がある。写真では公式ドキュメントに掲載されたデプレケーション一覧ページのスクリーンショットが写っている。

公式ドキュメントに掲載されたデプレケーション一覧ページのスクリーンショット
公式ドキュメントに掲載されたデプレケーション一覧ページのスクリーンショット(出典:Hacker News)

今後の予定と移行要件

廃止スケジュールと代替モデルは確定している。ただしコミュニティからは代替の妥当性やドキュメントの整合性について疑問が呈されている。開発者は通知期間内に推奨モデルを評価し、アプリケーションの動作をテストする必要がある。専用キャパシティを確保すれば削除後も継続利用できる場合もある。細かなモデルスナップショットの削除は継続的に実施され、開発者は月次でAPI仕様の更新を確認する必要がある。

2026年10月1日付の発表以降、次々とシャットダウン日が設定されている。次回の大型削除は2026年11月30日に予定されている。2027年4月1日にはGPT-5.3-Codexなど主要モデルの削除が完了する。API利用者がシステム更新を完了させるまでこの推移が続く。gpt-5.4-cyberの代替は利用可能な最も高性能なサイバーモデルとなる。

Transcriptionモデルの移行先はgpt-live-transcribeまたはgpt-transcribeに一本化される。独自微調整のベースモデル廃止に伴い、推論のみが継続される。2027年4月1日を最終目標として開発者の移行ラッシュが本格化する。

用語の注釈

Deprecation
APIや機能の使用を控えるよう促す「非推奨」状態を指し、将来の削除や代替を前提とするソフトウェア開発の用語である。(参考:「deprecation」の意味・使い方|よく使うフレーズと例文で学ぼう)
Legacy
IT分野で過去から受け継いだ旧システムやコードのこと。現在も更新は続けるが新モデルへの移行が推奨される。(参考:legacy の意味・使い方・語源・例文 | 英単語辞書)
Transcription
音声データを文字列に変換する自動書き起こし処理である。AI分野では会話や会議のテキスト化に利用される。(参考:「transcription」の意味・使い方|よく使うフレーズと例文で ...)

出典