ASUS ProArt P16、RTX Spark搭載で薄型化と128GBメモリを備える
30秒でわかる内容解説
ASUSは2026年10月に、NVIDIAのRTX Sparkプラットフォームを搭載した軽量モバイルワークステーション「ProArt P16」を発表した。筐体の薄型化とバッテリー容量の増加により、クリエイターが持ち歩く負担を減らした。最上位モデルは最大128GBのシステムとGPU共用メモリを備え、ローカルAI処理や動画編集を単体で実行可能だ。日本での発売日は未定だが、上位構成の米MSRPは6,999.99ドル(約111万円)に設定されている。
円換算は1ドル=158.25円(2026年10月9日、欧州中央銀行の参考レート)による概算で、日本での販売価格とは異なる。
筐体と接続端子の刷新、最上位構成の仕様
新モデルの筐体は前部12.9mmから後部15.9mmに薄型化された。旧型の14.9mmから17.3mmより薄くなっている。重量は軽減された。持ち運び時の負担を減らすため、付属のUSB-C電源アダプタが小型化された。
Nano Black仕上げの筐体には指紋防止コーティングが施された。CNC加工アルミ製のキーボードデッキと統合ヒンジが高級感を演出する。下の画像では筐体と小型化されたアダプタの比較が示されている。
接続端子は3本のUSB4 Type-Cポートを採用した。各ポートは最大40Gbpsの転送速度とディスプレイ出力、給電に対応する。3本のUSB4ポートにより、充電ケーブルを挿しても2本のポートを自由に使える。
HDMI 2.1とSD Express 7.0スロット、USB-Aポートも残した。カメラやモニター、有線マウスなどをそのまま接続できる構成だ。操作面では、従来のDialPadに代わり振動で操作感を伝えるhaptic touchpadを採用した。
キーボードは1.7mmのキーストロークを維持する。最上位構成のディスプレイは16インチの3840×2400 OLEDタッチスクリーンだ。リフレッシュレートは120HzでHDRピーク輝度は1,600ニットに達する。
内蔵ストレージは2TBのPCIe 4.0 SSDだ。追加スロットとしてM.2 2280 PCIe 5.0 x4スロットをもう一つ備える。冷却ファンは筐体後方に排気口を設け、熱気をディスプレイから遠ざける構造に改めた。
拡張用ドライブは片面実装の規格が必要になる。米ASUSストアでの最上位モデルは128GBメモリと2TB SSDを搭載し、6,999.99ドル(約111万円)で販売される。
RTX Sparkプラットフォームと共用メモリ方式
内部の基盤はNVIDIAのRTX Sparkプラットフォームに切り替わった。従来のGeForceノートGPUと別個のシステムメモリだった構成から、システムとグラフィックスが最大128GBのLPDDR5Xメモリを共用するようになった。中央処理装置は20コアのGrace CPU、グラフィックス処理は6,144コアのBlackwell RTX GPUが担う。
下の画像はRTX Sparkプラットフォームの内部構成を図解している。 この共用メモリ方式により、クリエイティブアプリケーションと同時にローカルAIモデルを動作させる余地が生まれた。NVIDIAはCUDA(NVIDIA製GPUを用いた並列計算を可能にするプログラミングプラットフォーム)をネイティブに実行可能と説明する。
画像生成ノードアプリComfyUI(ローカルAIモデル(特に画像生成)をノードベースで実行するためのソフトウェア)のワークフローもサポートする。128GBのうち実際に各ワークロードに割り当てられる容量は、他の実行中のプロセスによって変動する。
クラウド連携にはインターネット接続が依然として必要だが、ハードウェア自体がオフラインでのローカル処理基盤を提供する。旧来のAMD搭載モデルとは異なり、メモリ帯域の効率化が図られた。その容量は、ローカルに保存したメディアや調査データの整理、ビジュアルアイデアの開発に適している。
各ワークフローはアプリケーションのプラットフォームサポートと利用規約に依存する。クラウドアシスタントへの自動接続は行わないため、ローカル環境でのデータ処理に特化している。
端子配置の変更と14インチ版の比較
旧型のH7606はUSB4 Type-Cポートが1本だったため、充電時に他の高速周辺機器の接続が制限されていた。新型は3本に増えたため、充電ケーブルを挿しても2本のポートを自由に使える。写真では左右の端子配置が並べて示されている。
Connecting the charger leaves two USB-C ports free.
「充電器を接続しても2本のUSB-Cポートが空く」
ディスプレイのアップグレードパスも明確になった。旧型の4K/60Hzパネルユーザーはリフレッシュレートが倍の120Hzになる。3K/120Hzモデルから買い替える場合は、解像度が3840×2400に上がり、約78%多いピクセル数で作業スペースが広がる。
操作系の改修も編集ワークフローに直接効く。新しいhaptic touchpadは、タイムラインのスクロールや画像選択、インターフェースの移動に振動フィードバックを提供する。下のイラストは新しいhaptic touchpadの動作原理を表している。
14インチ版のProArt P14も同時に発表された。PX13の13.3インチ変形ディスプレイから切り替わり、3K OLEDパネルを搭載する。バッテリーは73Whから90Whに増えた。ただし筐体の幅と奥行きは広がり、重量は100g増えている。
P14のフルサイズSDスロットはUHS-II対応だ。P16のSD Express 7.0と比較すると転送規格が異なる。追加ストレージスロットは1本のみで、P16の2本構成より少ない。
日本市場での展開と購入時の確認事項
日本での発売日と国内価格はまだ公表されていない。米MSRPの6,999.99ドル(約111万円)に相当する価格は、高級モバイルワークステーションの領域に位置する。日本市場での展開時期は資料に明記されていない。
購入にあたっては、使用するアプリケーションやプラグイン、コーデックのプラットフォーム対応を確認する必要がある。RTX SparkプラットフォームはWindows向けに最適化されているが、特定のクリエイティブツールのネイティブサポート状況によって実性能が左右される。
内蔵ストレージの拡張条件も注意が必要だ。追加スロットはPCIe 5.0 x4だが、グローバル仕様では片面実装のM.2ドライブのみが要求される。アップグレード時は規格確認が欠かせない。各ワークフローは対応ソフトと利用規約に左右される。
クラウドアシスタントとの連携には通信環境が依然として必要だ。公式発表は2026年10月に行われた。米ASUSストアでの販売は既に開始されている。日本市場での詳細は追って発表される予定だ。
用語の注釈
- CUDA
- NVIDIA製GPUの並列処理能力を活用し、画像やAI計算を高速に実行できるプログラミング基盤である。(参考:CUDAって何?まとめてみたらNVIDIAの凄さがわかった。)
- ComfyUI
- オープンソースのノードベース生成AIアプリケーションであり、画像や動画、音声、3Dデータを生成できる。(参考:ComfyUI 公式ドキュメント - ComfyUI)
出典
- ASUS ProArt P16 delivers a lighter luxury mobile workstation(The Gadgeteer)