Nothing Headphone (1) ProがWIREDレビュー。プレミアム素材とトリプルドライバー構成の評価
30秒でわかる内容解説
Nothingが発表したプレミアムヘッドホン「Headphone (1) Pro」が、2026年10月14日にWIREDで正式レビューされた。価格は400ドル(約6万3,400円)で、ソニーやボーズの上位機種と並ぶ位置づけだ。アルミとチタン、ガラスを駆使した筐体と、低音から高音までを別々のドライバーで再生するトリプルドライバー構成を採用している。最新のANC(アクティブノイズキャンセリング)技術に興味があるユーザーには試す価値が高い。EQ調整の自由度も極めて高く、音質カスタマイズを好む層に刺さる設計だ。
円換算は1ドル=158.45円(2026年10月14日、欧州中央銀行の参考レート)による概算で、日本での販売価格とは異なる。
アルミとガラスの筐体、トリプルドライバー構成が音質を支える
筐体のデザインはNothingの伝統的な四角形を維持しつつ、素材を格上げした。外側のイヤーカップ(筐体)はアルミの固まりから削り出され、アームはチタン製だ。透明な外窓にはガラスを採用し、プラスチックはほぼ使用していない。重さは327グラムで、従来モデルより2グラム軽い。
装着感は同ブランド史上最も快適で、クッションが柔らかく太くなり、頭への圧迫感も軽減された。音響面ではトリプルドライバー構成が採用された。重低音用ダイナミック、精密再生用ダイナミック、高音用xMEMSの3つで周波数帯域を分担する。
写真ではアルミの筐体とガラスの窓が際立っており、内部の精密な構造が確認できる。 接続規格はBluetooth 6.1を採用し、マルチポイントやAuracast(一つのソースから複数のデバイスへ音を送る機能)に対応する。
Bass is clear, but not as punchy as headphones like the Sony XM6.
低音はクリアだが、ソニーXM6のようなヘッドホンほど迫力はない。
ANCオンで最大30時間、オフで最大68時間の駆動時間を実現する。有線接続ではUSB-C(最大24ビット192kHz)と3.5mm端子(最大24ビット96kHz)があり、ロスレス再生をサポートする。ANC性能はソニーやボーズほど完璧ではないが、都会の騒音でも十分機能する。
付属のハードケースはイヤーパッドを保護するが、ヘッドバンドは露出したままになるため、持ち運び後は放置されがちだ。物理的な操作ボタンも従来通り実装されており、直感的な操作が可能だ。
単一ドライバー主流市場への挑み、プレミアム価格帯での競争
Nothingのヘッドホンは従来から差別化されたデザインと独自の音作りでサポートを集めてきた。今回発表されたHeadphone (1) Proは、同ブランド初のプレミアムオーバーイヤーモデルとなる。
価格は400ドル(約6万3,400円)で設定され、ソニーWH-1000XM6やボーズQuietComfort Ultra(第2世代)の450ドル(約7万1,300円)、アップルAirPods Pro Max 2の販売価格450ドル(約7万1,300円)と直接競争する枠組みだ。
WIREDのレビュアーであるHarry Rabinowitzは、約1ヶ月のテストを経てレビューを公開した。彼は同ブランドの既存モデルよりも音質の幅が広く、特に中高域のエネルギー感に優れていると評価している。
市場では単一ダイナミックドライバーで全帯域を再生するモデルが主流だが、Nothingは周波数帯域を分割するトリプルドライバー構成というリスクを選んだ。その結果、歪みが少なくクリアな音響を実現し、既存のトップティア製品群に食い込む結果となった。
Nothing XアプリのAdvancedモードでは、メインドライバーと精密ドライバーの個別周波数帯域に±6dBの調整が可能だ。Exploreタブには5つのプリセットが用意され、初心者も音質を試しやすい。空間オーディオモードも追加され、層の厚い音響設定が実現している。
中高域評価と低音調整の必要性、EQ深度がもたらす分かれ目
音質に対する評価は分かれる傾向がある。中高域の明瞭さや空間認識は高く評価される一方、重低音寄りのジャンルでは迫力が不足するという指摘もある。EDMジャンルや特定のラップ楽曲ではEQ調整が必須となるが、簡単な操作で低音を強化できるため、不満は解消できる。
ANC性能については、ソニーやボーズの最高峰モデルほど完璧ではないものの、ニューヨーク市内の様々な騒音環境で十分機能すると評価されている。透過モードの自然さも良好で、日常使いにおける実用性は高い。IP52の防塵防水性能も備えており、天候や生活シーンを選ばない耐久性が求められる場面で役立つ。
EQの深さが逆にユーザーを圧倒する可能性もある。基本設定から上級者向けに細かく調整できるため、オーディオマニアには魅力的だが、一般ユーザーにはExploreタブのプリセットで十分という声も予想される。
FLATモードはレビューやミックス用だが、音量が通常より大きくなるため2段階下げると快適だ。TV on the Radioの楽曲では中高域のエネルギーが引き立ち、ステイビー・ワンダーの曲ではボーカルと楽器の分離感が際立った。
日本市場での展開予定と今秋からの競争激化
2026年10月14日にWIREDでレビューが公開されたことを皮切りに、Headphone (1) Proは順次市場に展開されている。400ドル(約6万3,400円)という価格帯は、既存のプレミアムモデルと同水準に設定されており、日本での発売価格や発売日は資料によると未確定だ。
音質のカスタマイズ性が高いことが最大の売りであるため、日本市場でもオーディオファンやデザイン志向のユーザーに受け入れられると見られる。Bluetooth 6.1やAuracastに対応しているため、今後さらに多くのデバイスと連携する環境が整うにつれて、その真価が発揮されるだろう。
アプリ内のプリセット機能を活用すれば、初めて購入するユーザーでも最適な音場を見つけられる。WIREDはソニーWH-1000XM6と日常使いで迷うほどであると評価しており、今秋から冬のシーズンにかけてユーザーの選択肢を広げる存在となる予定だ。
用語の注釈
- ANC
- 物理的に騒音を遮るパッシブ方式に対し、電子回路で周囲の音を打ち消す技術。(参考:PNC / ANCとは?ノイズキャンセリングの仕組みと種類について ...)
出典
- Nothing Headphone (1) Pro Review: Studio Quality(WIRED Gear)