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AtomicChatが公開するQwen-Image用拒否方向除去型テキストエンコーダ

35秒でわかる内容解説

2026年10月10日、AtomicChatはQwen-Image 2.1 Turbo用のテキストエンコーダ「Qwen-Image-2.1-Turbo-Uncensored-GGUF」を公開した。ベースモデルのQwen3-VL-8B-Instructから拒否方向を除去し、既存パイプラインの安全フィルターは元々ゼロであることを明示した。GGUF形式へ量子化されたファイルは5.29GB程度で、自作PCで画像生成モデルを動かす技術者向けに最適化されている。既存のパイプラインと互換性があり、プロンプトを投げるとそのまま画像が出力される。

チャットモデルの拒否ベクトルを除去する仕組み

Qwen-Image 2.1は画像生成に3つの要素を使う。安全チェッカーは元々搭載されておらず、テキストエンコーダとデノイザーが主要な役割を担う。今回公開されたファイルはテキストエンコーダ部分のみを編集したものだ。

Qwen3-VL-8B-Instructというチャットモデルが持つ拒否方向のベクトルを重みから投影除去した。拒否方向とは、有害なプロンプトを入力した際にモデルが答えを拒むために使用する数学的な方向性を指す。これは416件の有害対416件の無害プロンプトの平均差分から抽出された。

編集式はW' = W - 0.75 r rᵀWで、36層の注意出力とMLP投影に適用された。既存パイプラインの安全フィルターは元々ゼロである。デノイザーは学習済みデータに基づいて画像を描画するため、出力される画像自体に大きな変化はない。45件の敏感なプロンプトでテストした結果、すべてのカテゴリで既存モデルと同じ画像が生成された。

The stock pipeline already blocks nothing.

既存のパイプラインはフィルタを一切持たない。

画像の類似度を測るLPIPS指標では0.087の微細な差しか生じなかった。これは新しいシード値を使う場合の0.499と比較すると約6分の1の範囲だ。チャットモデルとして評価すると、英語の有害プロンプトに対する拒否率は88.9%から1.2%に低下した。MMLUの正答率は編集前後で77.35%のまま推移している。

ローカルPC向けに最適化されたファイル構成

AtomicChatは2026年10月10日、Hugging Face上でGGUF形式のモデルファイルを公開した。GGUFはllama.cppで使用され、ローカルPC向けに最適化されたAIモデルのファイル形式だ。ファイルはBF16からQ2_Kまでの量子化バージョンが用意されている。推奨されるのはQ4_K量子化版で、ファイルサイズは5.29GBだ。

このサイズなら多くのローカルPCのVRAMに収まり、実用的な速度で動作する。AtomicChat独自のADレイアウトを採用しており、注意機構のキーとバリュー層はQ8_0を維持している。トークン埋め込み層はQ6_K以上で重みを配分する。これにより、標準的な量子化形式よりも画像品質の劣化を抑えている。

ファイルはstable-diffusion.cppのllmフラグに直接読み込める。デノイザーにはAtomicChatが別途公開したQwen-Image-2.1-Turbo-GGUFを組み合わせる。VAEはComfy-Orgが提供するqwen_image_2.1_vae_bf16.safetensorsを使う。

mmprojは1.16GBで視覚射影器を担当する。構成はシンプルで、既存のローカル推論環境に組み込みやすい設計になっている。写真ではAtomicChatが公開したエンコーダのHugging Faceページが示されている。

Atomic Chat
AtomicChatが公開したエンコーダのHugging Faceページ(出典:Hugging Face trending)
量子化バージョンと推奨設定
バージョンサイズ推奨度
BF1616.39GB—
Q8_08.71GB容量余裕時
AD-Q4_K5.29GB推奨

コミュニティで進められた性能検証と数値

公開直後はHugging Faceのtrendingリストにランクインし、技術者から検証が進められた。測定データは公開されており、チャットモデルとしての性能と画像生成結果が数値で示されている。EnglishのJBB有害行動テストで88.9%だった拒否率が1.2%まで落ちた。RussianのAya red-teamingテストでは38.0%から0%に変わった。

XSTestの安全プロンプトに対する誤拒否も2.0%から0%になっている。ツール呼び出しは20件すべてが有効で、3万トークンのメモリ検索テストでも3件すべてが成功している。画像生成面では、中性プロンプト48件でも敏感プロンプトと同程度の画質変化しか確認されなかった。

Quantizationの影響も評価されており、Q8_0版はLPIPSで0.031の差にとどまっている。Q4_K版でも0.087であり、実用上の品質低下は許容範囲内と判断されている。トップトークンの一致率はQ4_Kで95.30%、BF16で98.45%を示している。最初のトークンのKLDは0.100で閾値内に収まっている。

今後の動作確認と日本での適用見通し

今後はComfyUIやMac、非Turbo版デノイザーでの動作確認が進む予定だ。現在確認されていない環境では、量子化レイアウトの違いによって出力が変動する可能性がある。プロンプト開頭の拒否応答を計測する手法のため、柔らかい拒否表現は検知されにくい点にも留意が必要だ。

日本ではGGUF形式がすでに定着しており、自作PCやApple Silicon搭載機で画像生成を動かす愛好家が多数存在する。本モデルは5.29GBのQ4_K版が推奨されており、ローカル推論のハードルを下げた実装となっている。

2026年10月以降、ローカルPCでのQwen-Image 2.1 Turbo利用がさらに活発化すると見られる。既存パイプラインの安全フィルターは元々ゼロであるため、実写のデグラデーション画像生成時は独自のポリシー適用が求められる。

用語の注釈

GGUF
llama.cppで使用され、ローカルPC向けに最適化されたAIモデルのファイル形式だ。(参考:GGUF量子化ってなんだ?〜ローカルLLMを爆速で動かすための ...)

出典