Omega言語がNVIDIA GB10の機械コードを生成しGitHubからRadicleへ移行
25秒でわかる内容解説
開発者drakestapletonは独自言語OmegaでNVIDIA製GB10チップの機械コードを生成し、CUDAツールキットを使わずにチップ上で動作させた。2026年11月7日にGitHubが109のレポジトリを非表示にしたため、プロジェクトはピアツーピアネットワークRadicleへ移行した。PCやローカルサーバーでLLMを動かす技術者は、従来の並列計算プラットフォームに依存しない新しいランタイム環境を手に入れた。
408バイトのシードから成長する機械コード生成パイプライン
コンパイラは手書きの16進数408バイトから成長し、外部のCコンパイラやアセンブラを使わずにビルドされる。
このシードから派生した機械コードはNVIDIA GB10のsm_121命令セット向けに生成され、1,048,576個の値がすべて正しく計算された。2026年10月21日には350億パラメータのモデルをサーブしており、CUDAライブラリをゼロで起動させた実績がある。
x86-64環境でのSHA-256演算速度は20.6 MB/sにとどまり、AArch64エミュレーションの57 MB/sと比較してメモリアクセスの特性が影響している。開発者はx86-64バックエンドを未検証のドラフト扱いとしており、完全なCUDAライブラリの置換やGB10以外のGPUでの動作はまだ実現していない。
コンパイラ自身を再コンパイルしても同じ出力が得られる自己完結型のビルドパイプラインが確立され、生成された機械コードはC言語のエンコーダとバイト単位で一致する。9つの浮動小数点演算の排他的論理和テストでは42億9千万の入力でゼロの不一致を確認している。
4-vCPUのクラウド環境ではビルドゲートが19.3秒で完了し、x86-64版のコンパイラは0.10秒で自己再コンパイルする。build.shは4つのラダーでコンパイラを成長させ、最終的にsha256 45442c7d…080dの固定点に達する。seed/LOCAL.patchでcount語をチェックし、x86のみでfmaのオペランド型を拒否する修正を加えている。
AIエージェントの高速プッシュがGitHubの非表示を招く
2026年11月7日午前8時14分から8時20分の間に、GitHubは組織をスパムと判定して109のレポジトリを非表示にした。
機械アカウントaien-sparkは停止され、約20体のAIエージェントが高速でプッシュやプルリクエストを開発していたことが理由として挙げられている。プロジェクトはピアツーピアネットワークRadicleへ移行し、各レポジトリに独自の鍵が割り当てられた。
開発者のウェブサイトは自前のハードウェアで稼働しており、GitHubの停止の影響を最小限に抑えている。すべてのプロジェクトはOmega言語で書かれ、ビルドスクリプトやテストランナーのみがシェルスクリプトを使用している。単一のURLを実行するだけで全プロジェクトを取得し、Radicleノードから直接フェッチする仕組みが提供されている。
コアとなる7つのプロジェクトは独立して管理され、他のサブシステムは依存関係に従って順次ビルドされる。si.shスクリプトは実行前に内容を表示し、./sovereign-intelligenceディレクトリを作成する。SI_ONLY=coreを指定すれば7つのコアプロジェクトのみを取得でき、root権限で実行するとエラーを返す。
stack/ledger.omは68,575ファイルと9億5千万バイトのスタック全体のファイル数とバイト数を照合し、forkpush.omは18のmalformedマニフェストを拒否してプライベートブランチをコメントとして処理している。
証拠ラベルで示されるエージェント構築の検証体系
開発者は各claimに証拠ラベルを付与して公開しており、その詳細は以下の通りである。
| 検証ラベル | 意味 |
|---|---|
| CHIP_TESTED | チップ上での動作証拠 |
| DEPLOYED | ライブモデルのサービング証拠 |
| HOST_TESTED | CPU単体の実行証拠 |
| DOCUMENTED | ヘッダーファイルからの文書化 |
| MEASURED | ツールとベンチマークによる測定 |
My own language, Omega, writes NVIDIA GB10 machine code. It ran on the chip: 1,048,576 of 1,048,576 values correct, no CUDA toolkit, no nvcc, no PTX.
独自言語OmegaはNVIDIA GB10の機械コードを生成する。チップ上での動作は1,048,576個の値がすべて正しく、CUDAツールキットもnvccもPTXも不要だった。
70のカーネルはチップ上で動作し、243のカーネルはホスト側で検証された。Omegaエンコーダは471のsm_121命令フォームを再生成し、70のカーネルをテーブルから再構築している。埋め込まれた4つのバグはすべて検出され、C言語のエンコーダとの完全な一致が確認されている。
開発者はAIコードエージェントを指揮してスタックを構築しており、エージェントが生成したコードの信頼性を数値証拠で示している。90万2千行のOmegaコードと251万行の他言語コードからなるスタック全体が、68,575ファイルと9億5千万バイトで検証されている。
aienuxカーネルはブート、スケジューリング、IPCを扱い、physics-mvはFORGEリクエストの機械実現と検証を提供している。evidence/x86-native/ディレクトリには16,179行のFR-9コーパスの実行記録があり、15,499行がPASS、232行がFAILとなっている。omega-bridgeは46件でコンパイラのハッシュを拒否しているが、ピンを変更するとすべてパスする。
必須カーネルとDRAMボトルネックが残る今後の展開
NVIDIAのオープンカーネルモジュール580.173.02と署名済みGSPファームウェアは依然として必須であり、CUDA++は他のバージョンを拒否する。
GPUとシステムメモリのキャッシュ整合性はデフォルトで非整合であり、ioctls(入出力制御コマンド)を介して3つのデバイスファイルにアクセスしてハードウェアを制御する。nvos.hの580.173.02バージョンではGPUキャッシュ可能なシステムメモリがデフォルトで非整合と定義されている。
DRAM帯域幅がC2Cリンクの理論値を上回るボトルネックとなっており、GPU側の測定は未完了である。273 GB/sのDRAM帯域幅に対してC2Cリンクは345 GB/sの理論値を示しており、CPUからGPUへのリンクよりもメモリ帯域が優先される。
開発は2026年11月7日にRadicleへ完全移行し、公開プロジェクトは27個に整理された。レジスタ割当てやカーネルビルダー、ランタイムはチップ動作パスで依然としてC言語で実装されている。
CUDAや他製品との速度比較は行われておらず、完全な互換性よりも検証可能性を優先した設計となっている。2026年10月26日に公開された論文バージョン2で修正がリストされ、x86-64ネイティブ実行の検証オラクルはFAILと判定している。
用語の注釈
- CUDA
- NVIDIAが開発したGPU用の並列計算プラットフォーム。AIや科学計算で高速処理を実現する基盤技術として広く利用されている。(参考:NVIDIA CUDAとは?主要機能やインストール手順、CUDA 13 ...)