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NZXT製コンパクトATXケース「S5 RGB」の仕様と冷却性能の検証

20秒でわかる内容解説

NZXTが2026年10月8日に発売したコンパクトATXケース「S5 RGB」は、49ドル(約7,760円)という低価格ながら二面ガラスと金属フレームを備える。標準で360mmファンユニットを搭載し、静音性と冷却性能のバランスが評価されている。自作PCの骨格となる筐体を予算内で厳選したいユーザーにとって、コストパフォーマンスの高い選択肢が登場した。

円換算は1ドル=158.28円(2026年10月8日、欧州中央銀行の参考レート)による概算で、日本での販売価格とは異なる。

二面ガラスと金属フレームを備えるコンパクトボディ

NZXT S5 RGBの寸法は382×210×423mmで、総容量34LのコンパクトATXケースである。重量は6.14kgと軽量ながら、鋼鉄フレームと金属製サイドパネルを採用し、筐体の剛性は高い。標準モデルは49ドル(約7,760円)で、追加ファン2枚付きのDeluxe版は59ドル(約9,340円)である。カラーはブラックとホワイトが同額で用意される。

写真では筐体背面の金属サイドパネルとPSUシュロードが確認できる。前面IOパネルにはUSB-C 20Gbpsポート1基とUSB-A 5Gbpsポート2基を配置する。電源ボタンは大型でクリック感があり、筐体を機の奥に深く押し込める設計に寄与している。背面には120mmファン用の排気穴と、2.5インチSSD1基・3.5インチHDD1基を固定できるトレイが設けられている。

NZXT outfits the S5 RGB with a single 360mm unibody fan unit containing three 120mm spinners, complete with LEDs

NZXTはLED付きの120mmファン3基を含む単一360mmファンユニットを標準搭載する

NZXT S5 RGBの主要仕様
項目値
寸法(H×W×D)382×210×423mm
重量6.14kg
対応マザーボードATX / micro-ATX / mini-ITX
CPUクーラー高さ≤162mm
GPU長さ≤415mm
PSU長さ≤200mm
標準ファン360mm A-RGBファンブロック

冷却面では、標準で120mmファン3基を組み合わせた360mmファンブロックを搭載する。PWM制御とA-RGB対応の単一ユニットで、PWMはファン回転数制御信号である。ケース内部には120mmファン取り付け位置が最大10カ所存在し、底面にはCPUとGPUへ風を送る角度のついたファンスペースも確保されている。

互換性では、CPUクーラー高さが162mm以内、グラボ長さが415mm以内、PSU長さが200mm以内と規定されている。マザーボードはATX、micro-ATX、mini-ITXに対応するが、背面配線対応デザインはサポートしない。2年間の保証期間が設定されている。

組みやすさと配線スペースの制約

側面パネルは工具不要で取り外せ、清掃やパーツ交換が容易だ。箱内にはネジ類とスペアスタンドオフ、紐式結束バンドが含まれる。Velcroタイプのストラップは未同梱のため、後日の配線調整時に少し手間がかかる。

組立過程で目立つのは、内部USB 3.0ケーブルの取り回しである。ファンブラケットが配線穴に近接しているため、マザーボードのポートが横方向を向いているとケーブルが締め付けられる。縦向きポートの基板であれば問題なく収まる。

The problem here is that the fan bracket sits very close to the cutout, leaving little room for the cable to sit without being so decidedly taut.

問題はファンブラケットが配線穴に近接しており、ケーブルがきつく張られることなく置けるスペースが少ないことだ

PSUは取り外し可能なブラケットがなく、筐体側面からスライドして固定する方式だ。これは部品点数を減らしコストを抑えた結果である。トップパネルとファンブラケットは固定式のため、AIOクーラーのラジエーター固定時には手で支えながらネジ締めを行う必要がある。

下の画像は底面の傾斜したファンスペースを示す。底面の傾斜したファンスペースは、ファン未装着時に外観が少し浮く印象を与える。しかし全体としての配線管理は明確なグリップポイントがあり、初心者でも比較的スムーズに組み立てられる設計になっている。

250W CPU対応の冷却テストと静音性

検証環境は室温21℃で実施された。Intel Core Ultra 270K Plus(定格250W)とArctic Liquid Freezer III Pro 360 A-RGB、Sapphire Nitro+ Radeon RX 9070 XTを搭載する。ファンとポンプは30%と50%の設定で動作させた。

吸気グリルから30cm離した測定で騒音は30dBA以下を記録する。標準搭載のファンはほぼ無音に近い状態で動作している。アイドル時のCPU温度は28℃で、グラボは33℃だった。Cinebench 2026の10分間マルチスレッド負荷ではCPUコア温度が最大80℃に達した。

写真ではDeluxe版に同梱される逆回転タイプのファンが見える。ゲーム実機負荷では、Cyberpunk 2077実行中にCPUが64℃、グラボが55℃を維持した。どちらもサーマルスロットリングを起こす閾値の遠く、最大性能を安定して引き出せる環境が整っている。

ファン回転数をさらに下げれば静音性を優先できるが、現状でも十分な冷却余裕を持っている。テスト結果は21℃の環境温度を基準としており、絶対温度として報告されている。

同価格帯の競合と比較した市場での位置づけ

49ドル(約7,760円)という価格帯では、二面ガラスを備えるケースは他に存在しない。同価格のMSI MAG Forge 320R Airflowは3吸気1排気のRGBファンを搭載するが、ガラスパネルは片面のみである。NZXT純正のH5 Flowはさらに安い価格設定だが、RGB照明がなくファン2基のみの仕様だ。

Deluxe版の10ドル(約1,580円)アップは、外観の統一と底面の空スペースを埋める逆回転ファンを提供する。標準モデルでも冷却性能に不満はないため、追加コストは必須ではない。

下の画像はメインチャンバーの側面からガラスパネルを取り外した状態だ。2026年10月8日にレビュー記事と同時発売が開始された。日本市場での正規流通価格や在庫状況は現時点で未確認である。

用語の注釈

PWM
高速で断続するパルス信号の幅を変化させ、ファン回転数やLED明るさを連続的に制御する技術である。(参考:PWM制御とは?仕組み、原理をわかりやすく解説 【Analogista】)

出典