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SanDisk NAS 800 SSDの仕様と価格、自作NAS向け選択基準

30秒でわかる内容解説

SanDiskは2026年10月11日、NAS向け最適化NVMe SSD「NAS 800」の詳細レビューと価格を発表した。PCIe 5.0対応で書き込み耐久性能が従来比約3倍に向上し、大容量サーバーやワークステーションの自作に適合する。価格は標準モデルより27〜65%高騰するが、4KBランダム応答遅延と連続書き込み性能でデータセンター級の安定動作を実現する。自作PCユーザーは用途に応じた容量とキャッシュ設計の差異を理解して選定できる。本製品は家庭用NASからエンタープライズ用途まで幅広く対応する。

円換算は1ドル=158.25円(2026年10月9日、欧州中央銀行の参考レート)による概算で、日本での販売価格とは異なる。

PCIe 5.0対応のNAS最適化ストレージと容量別価格帯

NAS 800はPCIe 5.0 x4とNVMe 2.0プロトコルを採用するM.2 2280規格のSSDである。コントローラにはSilicon Motion製SM2508が搭載され、218層BiCS8 TLC NANDフラッシュと2GB LPDDR4 DRAMを組み合わせる。DRAMとNANDの容量比は1:1,000の標準設計だ。

最大容量の7.68TB版ではシーケンシャル読み書きが14,900MB/sと13,000MB/sに達する。ランダム読み書きは2,200K/2,100K IOPSを記録する。4KB QD1のランダム応答遅延は非常に低い値を示す。

4ラインナップの価格は960GBが387.99ドル(約6万1,400円)、1.92TBが699.99ドル(約11万1,000円)、3.84TBが1,374.99ドル(約21万8,000円)、7.68TBが2,749.99ドル(約43万5,000円)だ。既存の上位モデルより27〜65%のプレミアム価格となる。TBW(SSDの書き込み耐久性能)は最大容量で14,000TBWを記録する。

5年間の保証期間中に1日あたり約1ドライブ分の書き込みが可能だ。

物理的な特徴として、960GBと1.92TB、3.84TBは片面実装だ。7.68TBのみ両面実装となり、冷却レイアウトとの干渉に注意が必要になる。定格消費電力は3.3V/2.7Aで約9Wだ。

最大状態は9.50W、平均動作は6.5W前後で推移する。NAS最適化に伴うpSLCキャッシュの採用により、実使用時の消費電力と書き込み速度は報告値より低くなる可能性がある。 写真ではSandisk NAS 800 1.92TB SSD 表面が映っている。

SanDisk NAS 800 容量別主要仕様
項目値
960GB387.99ドル(約6万1,400円) / 1,750TBW
1.92TB699.99ドル(約11万1,000円) / 3,500TBW
3.84TB1,374.99ドル(約21万8,000円) / 7,000TBW
7.68TB2,749.99ドル(約43万5,000円) / 14,000TBW
Sandisk NAS 800 1.92TB SSD
Sandisk NAS 800 1.92TB SSD 表面(出典:Tom's Hardware)

下の画像は1.92TB版の片面実装レイアウトを示す。コントローラ、DRAM、NANDフラッシュの配置が確認できる。

Sandisk NAS 800 1.92TB SSD
Sandisk NAS 800 1.92TB SSD 基板レイアウト(出典:Tom's Hardware)

写真では7.68TB版の両面実装構造が明確だ。後面に2つのNANDパッケージが追加され、総計4基のフラッシュが搭載される。

Optimus GX Pro 8100を母体に設計された耐久優先アーキテクチャ

NAS 800の基盤には、Optimus GX Pro 8100が位置する。同モデルは高速コントローラと低遅延NANDフラッシュで市場から高い評価を得ていた。NAS 800はこれをベースに、書き込み耐久性能と連続書き込み安定性を優先して設計し直した。オーバープロビジョニングの容量を従来より増やすことで、NANDフラッシュの摩耗を分散させる設計だ。

消費電力の制御にも工夫が見られる。DRAMにはLPDDR4を採用し、一般消費電力を抑制した。コントローラは8チャンネル構成で、PCIe 5.0対応ながら電力効率を維持している。TCG Opalによる自己暗号化機能も標準搭載し、セキュリティを強化する。ソフトウェア面ではSanDisk DashboardとAcronis True Image OEM版を提供する。

価格高騰の要因は最適化設計とTBW性能だ。既存の上位モデルより高額となる。自作NASやエンタープライズ用途では、書き込み負荷が高いワークロードに対応できるため、このコスト差は許容範囲となる。3.84TB版までが総合性能のピークを示し、7.68TB版では書き込み速度がわずかに低下する傾向がある。

Tom's Hardware評価と自作PCビルダー向けの選定ポイント

Tom's Hardwareのレビューでは、NAS向けNVMe SSDの最高峰と評価された。高いTBW性能と連続書き込み速度、優れた4KBランダム応答遅延が買われている。一方、価格が高いことが唯一の欠点として挙げられる。電力効率も標準並み以下と指摘される。

自作PCユーザーにとって、このSSDは家庭用サーバーや小規模ビジネス向けNASに最適だ。WD Red SN700シリーズに近いテーマで、常時稼働するファイルサーバーやメディアサーバーのストレージとして機能する。4KB QD1の遅延が低いため、多数の小さなファイルを扱うデータベースやVMホストでも安定動作が期待できる。

pSLCキャッシュの動作により、実使用時の速度はベンチマーク値を下回る可能性がある。ただし、NAS最適化により発熱が抑えられ、冷却設計が容易になる。両面実装の7.68TB版を除けば、一般的なM.2スロットと冷却フィンの干渉も少ない。自作PCビルダーは、マザーボードのPCIe 5.0スロットと互換性を確認した上で選定できる。

日本市場の展開予定とファームウェアによる動作安定化

2026年10月11日時点で、SanDisk公式ストアでは4容量全ての販売が開始された。日本市場での発売日や円換算価格は資料に明記されていない。価格帯は既存のOptimus GX Pro 8100より27〜29%高騰するため、日本での小売価格も同様の割合で設定されると推測される。

今後の予定として、ファームウェアアップデートによる速度調整と消費電力の最適化が続く。pSLCキャッシュの閾値変更により、実使用時の書き込みスループットがさらに安定化する可能性がある。自作PCユーザーは、マザーボードのBIOS設定とNVMe 2.0プロトコル対応を確認し、PCIe 5.0スロットに装着する際の冷却性能を優先して選定するべきだ。

2026年10月11日公開のレビューデータに基づき、容量別TBWと価格のバランスで用途に合わせたストレージ構成が決定できる。

用語の注釈

TBW
SSDの書き込み耐久性を示す指標であり、ドライブが壊れるまでに書き込めるデータ総量を表す。(参考:【2025年】SSDのTBW性能を比較!高耐久ドライブはどれ?)

出典