DashdogyとUncleBurritoがRTX4000シリーズへDLSS5とMFGをポート
30秒でわかる内容解説
2026年10月、自作PCコミュニティでRTX4000シリーズ向けの新DLSS機能ポートが話題となっている。物理学生Dashdogy氏がMulti Frame Generationを、Uncle Burrito氏がNeural Rendering DLLをそれぞれアンロックした。これによりAmpereや2018年製Turingアーキテクチャ、さらにはAMD製GPUでも動作する。高価格化した新世代カードを持つユーザーだけでなく、旧世代ユーザーの選択肢が広がっている。
円換算は1ドル=158.6円(2026年10月12日、欧州中央銀行の参考レート)による概算で、日本での販売価格とは異なる。
メモリ呼び出しのスプーフィングとDLLパッチで新機能を実装
Dashdogy氏は学期中の休暇中にAWSインスタンスで1週間熬夜け、RTX4000シリーズ向けのMulti Frame Generationをアンロックした。
StreamlineとNGXのメモリ呼び出しをスプーフィングし、GPUが生成できるフレーム数を5倍に定義した。
Streamlineはゲームエンジンとアップスケーリング技術を繋ぐユニバーサルトランスレーターとして機能する。
I specifically spoof the Streamline and NGX calls in memory that define how many frames the GPU is allowed to generate.
メモリ内でStreamlineとNGXの呼び出しをスプーフィングし、GPUが生成できるフレーム数を定義している
NGXはAI演算を調理する独自フレームワークだ。
Uncle Burrito氏はDLSS5のNeural Rendering DLLを逆コンパイルし、Adaアーキテクチャ向けに4つのCUDAバイナリをパッチした。
FP8命令のネイティブ対応が性能の基盤となっている。
両MODはReShadeやNexus Mods経由で数百タイトルに導入可能だ。
初期テストではCyberpunk2077で2倍超のフレーム生成時に遅延が発生したが、フレーム配置の修正で解消された。
現在ではゲームディレクトリにASIファイルを設置するだけで、6倍フレーム生成が有効化されている。
開発にはOpenAIのDaybreak BlueやClaudeといった最新AIモデルが不可欠だった。
命令セットの違いと最適化不足をAI解析で解決
2025年にRTX5000シリーズが発売されると、Blackwellアーキテクチャ向けのMFGとDLSS5が公開された。
Dashdogy氏は半年間のGoogle検索後、本格的な解析に着手した。
BlackwellとAdaは命令セットが異なるため、互換性のないフレーム生成でGPUがエラーを返していた。
彼はRTX6000 Pro Blackwellでカーネルダンプを取得し、6倍生成時のフレーム配置を解析した。
40シリーズのカーネルが2倍生成用の中間スケールに固定されていたことが判明した。
Blackwellの最適化をバックポートすることで間隔を均等にし、フレームペーシングを改善した。
Uncle Burrito氏はGhidraとClaude Codeの助けでDLL構造を解読し、SDKのバージョン違いによる黒画面問題を修正した。
両者の作業は2026年10月現在、互いに補完し合いながら進化している。
標準化されたデータ形式が全世代対応を可能にする
コミュニティは両MODを基盤にフォークを作成し、ReShadeやRenoDX経由で統合している。
ShortFuse氏らがAmpereや2018年製Turing向けポートを進め、AMD製GPUへの適用も実現した。
Motion vectorsとdepth bufferの標準化がDLLのドロップイン置換を可能にした。
Ampereや2018年製Turingへのポート時はレイテンシとオーバーヘッドが上昇する傾向がある。
| アーキテクチャ | 対応状況 |
|---|---|
| Blackwell | 公式搭載 |
| Ada Lovelace | MODポート済み |
| Ampere | ポート進行中 |
| Turing | ポート進行中 |
Nvidiaは当初Ada世代を未実装として出荷したが、最適化不足か新製品販売促進のための意図的なソフトロックかは両方の見方が存在する。
Uncle Burrito氏はAdaの性能は限界まで引き出されており、残りはチップの処理能力によると指摘している。
Dashdogy氏は40シリーズにMFG未対応の理由はないと強調し、公式ドライバーで最適化が追加される可能性を示唆している。
9,000ドル(約143万円)超えの新世代カードと旧世代の寿命延伸
消費者向けGPU価格はRTX5090で9,000ドル(約143万円)を超え、旧世代活用の需要が高まっている。 Dashdogy氏は新世代から価格で切り離されたユーザーにとって、既存GPUの寿命延伸が自作コミュニティの活性化に寄与すると語る。 DLSS5のUniversal DLLはTuring、Ampere、Adaの全世代に対応し、AMDハードウェアへのポートも進行中だ。
2026年10月中旬現在、各MODはNexus ModsやDiscordサーバーで最新版が公開され、ゲームディレクトリへのASI配置で6倍フレーム生成が有効化されている。 ユーザーはTelemetry機能でフレーム生成の変化を可視化でき、公式ドライバー更新前に新機能を利用できる環境が整っている。 自作PCユーザーはソフトウェアロックの壁をAIと解析技術で取り除き、ハードウェアの潜在能力を引き出し続けている。
写真ではNvidia GeForce RTX 5090が映っている。
出典
- Meet the modders porting ringfenced DLSS features to older GPUs(Tom's Hardware)