· 自作PC

NvidiaがDLSSフレームジェネレーションの高速化アルゴリズムPreset Cを公開

25秒でわかる内容解説

Nvidiaはベータドライバーに新アルゴリズムPreset Cを搭載し、DLSSフレームジェネレーションのコストを最大36.4%削減した。RTX 50シリーズおよび40シリーズのGPUで利用可能となり、自作PCユーザーの描画負荷を直接軽減する。2倍モードで10%、6倍モードで36.4%の性能向上が確認されており、Nvidia Appから簡単に有効化できる。フレーム生成処理の高速化により、ゲームの動作軽快化が期待される。

Preset Cの機能と有効化手順

Nvidiaが公開したPreset Cは、既存のAIモデルをより軽量なアルゴリズムに置換する。これによりフレームジェネレーション(DLSS FG)とマルチフレームジェネレーション(MFG)の処理コストが低下し、フレームレートの向上につながる。測定環境はRTX 5060 8GBで『Cyberpunk 2077』を1440pでプレイする条件で行われた。

2倍モードで10%、4倍モードで23.8%、6倍モードで36.4%のコスト削減が報告されている。

DLSSフレームジェネレーションにおけるPreset Cの性能コスト削減率
モードコスト削減率
2x10%
4x23.8%
6x36.4%

有効化手順はNvidia Appのベータ版で行う。設定画面からベータ機能への参加をオンにし、アプリを更新する。グラフィックスセクションでフレームジェネレーション対応ゲームを選ぶか、グローバル設定から適用先を指定する。ドライバー設定内のDLSSオーバーライドモデルプリセットセクションでカスタムを選択し、フレームジェネレーションにPreset Cを割り当てる。

Nvidia DLSS FG Performance mode.
Nvidia DLSS FG Performance mode(出典:Club386)

下の画像はPreset C適用時のパフォーマンスモードを示している。処理負荷が下がる分、同じリソースでより多くのフレームを生成できる仕組みだ。画像品質への影響は最小限に抑えられているとNvidiaは説明している。自作PCユーザーは再起動を忘れないよう注意が必要だ。反映が確認できない場合はシステムを再起動することで解決する場合がある。

フレームジェネレーションの動作原理とアルゴリズム変更

DLSSフレームジェネレーションは、実際に描画された2フレームの間にAIで中間フレームを生成する技術だ。これにより表示されるフレーム数は実描画の2倍から6倍まで拡張できる。現在のアプローチでは2つのモデルが連携している。1つ目はモーションベクトルや深度データを用いて、ゲーム内のオブジェクトの動きを把握する。2つ目はUI要素やレイトレーシング効果などの光学的フローを計算する。

Today’s Preset C replaces the second AI model with a faster and lighter algorithm, reducing the cost of FG and MFG (including Dynamic MFG), which translates into higher frame rates.

今回Preset Cが対象とするのはこの2番目のモデルだ。計算負荷の大きい光学的フロー推論を軽量化したアルゴリズムに差し替える。Dynamic MFGはゲームの負荷に応じて生成フレーム数を動的に変化させる機能で、マルチフレームジェネレーションの処理全体が高速化される。フレーム生成は真の高フレームレートを代替するものではないが、動作の滑らかさを実感できるレベルで向上する。

Nvidia DLSS FG Preset C.
Nvidia DLSS FG Preset C(出典:Club386)

下の図はPreset Cのアルゴリズム構成を表している。従来の重たいモデルから軽量モデルへの変更が、コスト削減に直結する。自作PCユーザーはGPUのVRAM容量やクロック周波数に応じて、2倍から6倍のモードを使い分けるのが一般的だ。アルゴリズムの最適化により、同じGPUでもより高い生成倍率を維持しやすくなる。レイトレーシング併用時の重厚な描画処理も、この軽量化アルゴリズムで負担が軽減される。

測定条件とRTX 40シリーズの動作確認状況

公表された数値はRTX 5060 8GBを基準に計測されている。『Cyberpunk 2077』の1440p解像度でのプレイ時において、2倍モードで10%、4倍モードで23.8%、6倍モードで36.4%の性能コスト削減が記録された。Nvidiaはこの上昇率をRTX 40シリーズでも期待できるとしているが、詳細な検証結果は明記されていない。世代が異なるアーキテクチャでは、アルゴリズムの適合度によって向上率が変動する可能性がある。

DLSSフレームジェネレーションにおけるPreset Cの性能コスト削減率
モードコスト削減率
2x10%
4x23.8%
6x36.4%

表では各モードごとのコスト削減率をまとめている。6倍モードで36.4%の削減は大きな数字だが、実際のゲームタイトルや設定によっては幅が生じる。コミュニティからの公式な反応はまだ記載されていない。ベータドライバー版での提供であるため、安定版への組み込み時期も未定だ。RTX Sparkにおける詳細な動作についても資料では触れられていない。自作PCビルダーはベンチマークツールで自身の環境を確認する必要がある。

ベータ版の展開と今後のドライバー更新予定

Preset Cは最新のベータドライバーと共に配布が開始された。RTX 50シリーズと40シリーズのゲーミングGPUに加え、RTX Spark向けのサポートも含まれている。Nvidia Appのベータ機能として提供されており、公式安定版ドライバーへの統合は未定だ。ユーザーは設定からオプトインすることで利用可能になる。

今後の予定として、安定版ドライバーへの組み込み時期が注目される。アルゴリズムの軽量化により、レイトレーシングやDLSSの併用時にもフレームレート維持に寄与すると考えられる。RTX 40シリーズでの同率向上の有無や、RTX Sparkでの動作詳細が明らかになれば、自作PCの世代間互換性評価がさらに進む。

2026年10月14日付で公開された今回の更新が、次のドライバーバージョンの基準となる。ベータ版のフィードバックを集約した上で、正式なアルゴリズム切り替えオプションが標準ドライバーに組み込まれる見込みだ。

出典